ゾイレ
ゾイレ効果ってのがある。ゾイレっていかにもドイツ語っぽいんだが、実際そうなんだから仕方がないw
ゾイレとは「柱」という意味で、音響の世界では、スピーカユニットを垂直方向に複数積み上げることで、垂直方向の指向性を狭め、水平方向の指向性を広げることができる。また放出される音は“円柱状”になり、“球面状”に広がる通常のスピーカより減衰が半分になる。さらに複数ユニットによる低域の補強も相まって、なにこれいいことだらけじゃん!…とゾイレタイプのスピーカは70年代に一世を風靡したわけだ。
代表的なのがShureのVocal Masterシステム。製品名から判るように当時はあまりPAってのが一般的じゃなかったので、ギターがギターアンプから音を出すように、ボーカルはボーカルアンプから音を出すっていう発想が強かった。
なのでこういう感じが普通だったり…
両脇にあるのがゾイレスピーカのVA300-S、中央に置かれているのがミキサのVA302、これに隠れているけどトランジスタ式のパワーアンプPM300でワンセット。大卒の初任給が平均4万円の時代に100万円の代物だった。(スピーカは半分サイズのVA301-Sってのもあった。)ちなみにアンプ出力が100Wなので、1W1万円というぼったくりw
その高価な舶来品を当時のヒビノが頑張って売っていた。(写真はヒビノのページより)
ヒビノの社史めっちゃおもろいのでお勧め。
もちろんそんな高価なものではなく、国産のスピーカがいろいろなところで導入されたんだけど、代表的なのは野外スピーカとか
体育館のスピーカ。
体育館なんかは未だにゾイレが主流。
んでこのいいとこしかないゾイレがなんで廃れたかというと、圧倒的なパワー不足から。高性能・大出力・大口径のスピーカでゾイレを作れば、解決しそうなんだけど、スピーカを複数個マウントすることから、大型化や重量化が避けられず、床置きの安定性も悪いので、実際には作られることはなかった。
んで80年代以降、周波数を分割し、専用のスピーカを積み上げる方式が主流に。
それで機材も進歩して、会場の環境も整ってきたので現在はフライングといって、スピーカを天井から吊るのが主流になってきている。まあこれラインアレイとか言ってるけど効果的には体育館のゾイレと一緒。
このフライング、日本で始めてやったのがヒビノなんだけど、4560を2つずつ吊るという今から見ると冗談みたいな力業。
むき出しで吊られている40も味わい深い。
…ってまじめに音響の話をしているんだけど、ゾイレが判ってないとこれが理解してもらえないかと思ったからで…
ゾイレ RTインスパイアw pic.twitter.com/RK8bTgfnSx
— 探聞陶工斎 (@toss_ny) 2016年7月27日
ぞいって4話でやっと出てきたな。
なんか原作者が元教え子の同僚らしい。時代の流れにZoっとするんだZoi。
.