怒られるかな…

読んだ感想

基本的に知らない世界の話なので、興味深く読んでいたんだけど、途中から「ん?これどの層をターゲットにした本なんだ?」と思い始める。舞台監督と言っても演劇の世界の舞台監督の話なので、演劇の舞台の裏方を目指す若者向けなのかなとは思うんだけど、だとすると前提条件が意外と厳しい(すでに舞台の世界に両足突っ込んでいるぐらいの状態?)

というのも、結構特殊な舞台の言葉を知っている前提で話をしているんだよね。香盤表なんて知ってて当たり前ぐらいの感じ。私は「カンパニー」が具体的に何を指すのかが最後まで分からなかった。あと少ないながらも図表があるんだけど、最後に乗せっぱなしでその図表を使っての解説とかは一切ないから、少なくとも台本くらいは読める前提という事になる。

舞台監督の集まりなんだから、お客さん(読者)が満足できる本を作ろうとはしているはずなんだけど、文体はバラバラ、真面目な話を最後まで読むと「まあ、私もできてないんですけどね」みたいにひっくり返される。堅苦しくなくするための工夫だとは思うんだけど、その冗談が冗談に聞こえるのにもやっぱり“前提知識”が必要なわけで…。ニコニコ大百科みたいな、大百科と言いつつ知らない人にはわけが分からなくて、既に知っている人が楽しむみたいな状態になっている気がするなあ…。著者陣にお互い遠慮・忖度があって、上がってきた文章をそのまま載せたのかな?

まあでもこの分量で税込1,100円というのは驚異的。ほとんど手弁当だろうし、今までスポットの当たらなかったセクションの書籍という事で充分意味はあると思ってはいるけどね。