鉄道唱歌

「汽笛一声新橋を はや我が汽車は離れたり~」で始まる鉄道唱歌って歌がある。私世代なら一度は聞いたことがあるかなという感じだけど、おそらく今どきさんは知らないはず。

小学校の頃、鉄本に東海道編の歌詞が載っていたので、何故か暗記しようと思い、確か10番くらいまでは覚えたんだが、途中で飽きて放置した。(ぶれないビヘイビア)

んで久しぶりに歌詞を見直してみたんだけど、作詞の大和田建樹が、実は知ったか疑惑w

知ったかで有名なのは「アイアイ」だけど、同じ臭いを感じる。

ちなみにこの曲は図鑑の画と説明文だけで作った曲。「南方で木の上に生息する目が大きくしっぽの長いサル」以上の情報がないw

んで、どこが知ったかかというと、地元の歌詞を見れば判る、

三〇 豊橋おりて乗る汽車は これぞ豊川稲荷

   東海道にてすぐれたる 海のながめは蒲郡 


三一 見よや徳川家康の おこりし土地の岡崎を

   矢矧の橋に残れるは 藤吉郎のものがたり 


三二 鳴海しぼりの産地なる 鳴海に近き大高を

   下りておよそ一里半 ゆけば昔の桶狭間 


三三 めぐみ熱田の御やしろは 三種の神器の一つなる

   その草薙の神つるぎ あふげや同胞四千万 


隠しきれない本を見て書きました感。まあ明治時代まだ何もないところだからしかたがないんだけど、戦国時代とか好きすぎだろ。

三四 名だかき金の鯱は 名古屋の城の光なり

   地震のはなしまだ消えぬ 岐阜の鵜飼も見てゆかん

名古屋は名古屋城と濃尾地震の話、岐阜は12文字で、次は大垣まで飛ぶ。

そして京都に入ると、

四五 大石良雄が山科の その隠家はあともなし

   赤き鳥居の神さびて 立つは伏見の稲荷山 


四六 東寺の塔を左にて とまれば七条ステーション

   京都々々とよびたつる 駅夫のこゑも勇ましや 


四七 ここは桓武のみかどより 千有余年の都の地

   今も雲井の空たかく あふぐ清涼紫宸殿 


四八 東に立てる東山 西に聳ゆる嵐山

   かれとこれとの麓ゆく 水は加茂川桂川 


四九 祇園清水智恩院 吉田黒谷真如堂

   ながれも清き水上に 君がよまもる加茂の宮 


五〇 夏は納涼の四条橋 冬は雪見の銀閣

   桜は春の嵯峨御室 紅葉は秋の高雄山


五一 琵琶湖を引きて通したる 疏水の工事は南禅寺

   岩切り抜きて舟をやる 知識の進歩も見られたり 


五二 神社仏閣山水の 外に京都の物産は

   西陣織の綾錦 友禅染の花もみぢ 


五三 扇おしろい京都紅 また加茂川の鷺しらず

   みやげを提げていざ立たん あとに名残は残れども 


五四 山崎おりて淀川を わたる向うは男山

   行幸ありし先帝の かしこきあとぞ忍ばるる 

京都好きすぎだろw 10番も京都だけに使っている。

で酷いのが京都大阪間

五五 淀の川舟さをさして くだりし旅はむかしにて

   またたくひまに今はゆく 煙たえせぬ陸の道 


五六 おくり迎ふる程もなく 茨木吹田うちすぎて

   はや大阪につきにけり 梅田は我をむかへたり

茨城吹田の立場w 高槻なんて描かれてもいない。

大阪は3番だけで通過して、当時何もなかった神戸で5番を使って終了する。

六六 明けなば更に乗りかへて 山陽道を進ままし

   天気は明日も望あり 柳にかすむ月の影

なんか、最後だけ綺麗にまとめました感w

 

まあでも、明治時代の歌詞だけあって、5775のリズムで新しさと古さが絶妙なバランスでミックスされているのがいい。「陸」という字を「ろく」と読んだり「くが」と呼んだりする割には「ステーション」なんてエゲレス語が出てくるのな。

アレンジが好きじゃないんだけど、動画置いておきますね。(あとキーが高けぇw)

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