ゲゲゲ

なんか死ぬイメージのなかった水木しげる御大が逝去。ラバウルに陸軍の二等兵として送り込まれれば、そりゃもう悲惨の一言でも片付かないくらいの経験をした人な訳で、実際戦記漫画でその辺の体験をもとに作品を作っている。左腕を失って何度も生死をさまよい、さらに生意気な新兵としてしごかれていたヘイトしかない体験だから、旧日本軍がいかに酷かったかがよく描かれている。これはリアルな体験から来ているからとても貴重なモノだと思う。

ただ数ある作品の中で、海軍モノの駆逐艦魂は、もうギャグ漫画の領域。自らが復員時に乗船した雪風がモチーフになっている「旋風」なんだが、船速一杯は船が壊れる速度というわけではないし、それ以上にラストの人間魚雷、9メートル3トンの巨体が100キロ近くで水上を進んでいる訳で、またがっていられるだけでも奇跡、ましてやコントロールすることなど不可能だよな。多分御大は魚雷を見たことがないんでは?

まあ今日は「劇画ヒットラー」でも読み返すかな…R.I.P.

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