ドイツ戦争映画2作品

DVDレンタルで何気なく戦争物コーナで並んでいていた2作品を借りてきてみた。「ヒトラー~最期の12日間~」と「パンツァー鋼鉄師団」

まず「ヒトラー」のほうだけど、こんな凄い映画見逃していたとは…。ドイツ人がヒトラーを演じるドイツ映画と言うだけでも大変なことだと思うんだけど、ブルーノ・ガンツ(正確にはスイス人)凄すぎ。もちろん私もヒトラー本人を観たことはないんだけど、写真や動画で見るヒトラーそのもの。単に似ているというだけでなく、現存するフィルムなどを観てものすごく研究したんだろうなというのが、痙攣している手の動きや敬礼に返す手の挙げ具合なんかからうかがえる。

アメリカ人が日本の映画作ると「パールハーバー」のようにその国に対しての冒涜とも言うべきセットができあがるんだが、アメリカ人がドイツの映画作っても同じ。ということで映画はその国の人が作るべきなんだな。日本人が作った「男たちの大和」で、鈴木京香の年齢とかめちゃくちゃな考証がありながらも、戦艦大和のセットだけはきっちり作り込んだように、この映画のフューラーブンカーの再現具合は異常。

間取りの位置関係は言うに及ばず、家具の配置やドアの構造に至るまで現存する資料に忠実に再現してあって感動した。その代わりヒムラー菜食主義者なのを忘れていたり、パンツァーファーストの扱いが荒かったりと大ボケかましているのも大和と一緒w

映画を批評できるほど映画好きではないけど、戦記抜きにしてもこの映画のすごさはわかる。少し多すぎる登場人物だが、それぞれに短い時間で見事にその立場と葛藤と結論を描き出しているのが凄い。あと全体をカーキ色貴重にした映像や、延々続く砲弾の音のサラウンドなど画像も音響もすばらしい。個人的には最初と最後の懺悔みたいな部分は不要だし、偽善っぽくてやなんだが、それを入れざるを得ない過去と現在の事情もあるんだろう。とにかく暗い気分になる映画ではあるが★5つの映画だ。

で、もう一本の「パンツァー鋼鉄師団」なんだが、

21世紀になってこんなクソ映画があったとは知らなかった。見所は一番最初にキングパンサーが動いている部分だけ。(あ、あと装甲車SdKfz 251?も)役者は大根、爆発はすべてチープすぎて涙の出るCG。登場人物と場所の意図が全くわからないし、何を言いたいのかも不明。最初から英語に吹き替えられているばかりか、重要なパートであるドイツのプロパガンダ映画のタイトルさえ英語で書いてある。ドイツ軍かアメリカ軍かイギリス軍かわからないうちにカットばかりが進んでいって何が言いたいのかさっぱりわからんし、登場人物も多すぎ。心理描写もなくいきなり死んじゃったりするもんだから( ゚Д゚)ポカーン状態。

とにかく時間返せの一言。★ゼロ